トップページ > 2022年5月27日 食レポ!! やまぐち
食レポ!! やまぐち

美祢市編 マスバーガー&マススティック

山口県の各地域の新しい食、気になる食をレポート!! 第24回は美祢市編です。
今回ご紹介するのは、美祢市の人気観光スポットの一つ、別府弁天池の美しい湧き水で育ったニジマスを使った「マスバーガー」と「マススティック」! 地元の堅田地区まちづくり協議会の婦人部が中心となって開発した、ニジマスが手軽に味わえるメニューです。
それでは堅田地区まちづくり協議会の副会長・篠原さんに、開発の理由やこだわり、込められた思いなどについてお話を伺ってみます!
取材をするきらりんのイラスト
「Benten Blue」(秋芳名水特産品直売所)外観の写真

別府弁天池近くにある「Benten Blue」(秋芳名水特産品直売所)で調理・販売を行っています

別府弁天池の写真

名水百選にも選ばれた別府弁天池。不思議なほど透き通ったブルーの水が美しい!

 
「マスバーガー」と「マススティック」を開発した理由について教えていただけますか?
別府弁天池に足を運んでくださった観光客に、何かおもてなしをしたいと思ったのがきっかけです。以前、ここには別府弁天池の隣にある弁天会館と特産品直売所しかなかったので、食事や買い物は楽しめても休憩できるところがなかったんです。のんびりしてもらうならカフェがいい、そして、提供するなら湧き水で養殖したニジマスを使ったメニューがいいと思い、まずは手軽に食べられるマススティックの開発からスタートしました。
 
弁天会館で提供されるのは、塩焼きやせごし、あらいなど、どちらかといえば本格的なニジマス料理。手軽に食べられるメニューなら、若い世代やニジマス初心者にも良さそうですね。
そうなんです! ですから、コロッケやフライドポテトのような感覚で食べられるものをイメージし、マススティックを開発しました。ニジマスや地元の野菜を春巻きの皮で包み、熱々の揚げたてを提供します。企業秘密なので具材全てを明かすことはできませんが、味の決め手はバジルソースです。
マススティックの写真

揚げたてのマススティック。ニジマスが向かい合ったイラストは篠原さん作

マスバーガーの写真

カラフルなマスバーガー。ニジマスのフライと地元の野菜を3種類のバンズでサンド

なるほど、では早速マススティックをいただきます。おお! パリッと揚がった春巻きの皮と、ほくほくのじゃがいも、淡白ながらも存在感のあるニジマスのバランスがいいですね。バジルソースの風味もすごくいい!
名水で育っただけあって、ニジマスには全くクセがないでしょう? ニジマス初心者に絶対気に入ってもらえる自信があります! バジルソースは手作りです。自家栽培したバジルとニンニク、オリーブオイルを合わせたシンプルなものですが、子どもにも大好評なんですよ。サイズは結構悩みました。春巻きの皮を1枚使って長いものを作ってみたり、カットして形を変えてみたり。試行錯誤の上、今の形に決まりました。
確かに、ニジマスにクセは一切感じられません。ニジマスとバジルの相性ってこんなに良かったんですね。小腹が減ったときにちょうどいいサイズもグッドです。別府弁天池周辺の散策やバイクでのツーリングの途中に程よくお腹を満たしてくれそうです。
次はこちら、マスバーガーもぜひ食べてみてください。マスバーガーも自慢の逸品ですよ!
ありがとうございます! バンズが3色あり、いわゆる「映え」そうなかわいさですね。写真を撮ってSNSに投稿したくなります!
バンズの3色、白・黒・赤は、美祢市の歴史や自然をヒントにしました。白は秋吉台のカルスト台地の石灰岩、黒はかつて日本最大級の産出量を誇った石炭、赤は奈良の大仏さまにも使われた良質な銅と、全部意味があるんですよ。
それはすごい! いわば美祢市を造った歴史とロマンを象徴する3色なんですね。これはますます食べるのが楽しみになります。どれにしようか迷ってしまいますが…、今日は白をいただきます!
マスバーガー「白」の写真

カルスト台地の石灰岩をイメージした「白」。胚芽を練り込んで焼き上げています

マスバーガー「黒」の写真

生地に竹炭を練り込んで、石炭の黒を表現。具材の色が引き立っています

バンズがふかふかで小麦の香りがしっかり漂います。ニジマスはフライにしてあって、衣がサクサク! 結構肉厚ですね。あれ? これもバジルが香りますよ。
こちらのバンズは生地に胚芽を練り込んで焼き上げています。パン職人さんが特産品直売所内にある調理場で焼く、完全オリジナルのバンズです。黒には竹炭を、赤には紅麹(べにこうじ)を練り込んでいるんですよ。ニジマスは下味にバジルソースを使っています。野菜も可能な限り地元のものなので、まさに地産地消のバーガーです。
よく見たらニンジンがハート型にカットしてあります。細かいところまでこだわっているんですね。
いえ、実はカットしていないんですよ。商品の開発中、ニンジンやキュウリをかわいく型抜きしたいと話していたら、「キュウリを切り抜いたら周りの緑はなくなるよ」と言われたのがきっかけで始めたんですが、専用の型にはめて生育させることで、最初からハート型や星型になるよう自分たちで栽培しているんです。結果としてフードロスも防げているので大正解でした。もちろん、在庫が無くなれば他から仕入れることもあります。
そこまでこだわってらっしゃるんですね。かわいさをとことん追求しただけでなく、フードロスを極限まで無くした環境にもいいバーガーなんて感動です!
マスバーガー「赤」の写真

銅の赤を表現するために生地に練り込まれているのは紅麹。かわいらしさが大人気!

「長寿サンド」の写真

こちらが「長寿サンド」。美祢市の特産品「長寿梨」を使ったチリソースがポイント

実は、昨年開発した「長寿サンド」もあるんですが…。いかがですか?
長寿サンド!? すてきなネーミングですね。もちろんいただきます! でも、どうしてそんな商品名に?
マスバーガーと同様にニジマスのフライをサンドしていますが、美祢市の特産品「長寿梨」を使ったチリソースが味の決め手なんです。別府弁天池の湧き水は地元で「一杯飲むと一年長生きする」と言われ、「長寿の名水」と伝えられています。「長寿梨」と「長寿の名水」だから、「長寿サンド」と名付けたんですよ。
梨も水も、まさに「長寿サンド」なんですね! 食べたら長生きできそうです。では、いただきます!
おお、確かにこのチリソースは、フルーティーな甘みが感じられます。長寿梨を使うからこその味わいですね。チリソースと聞けば辛さを想像しますが、全く辛くありません。これは老若男女に愛されそう。
ところで、こちらにカフェが併設されてから3周年と聞いています。「Benten Blue」という愛称も付いたとか…?
2022年4月に「Benten Blue」としてリニューアルオープンしたばかりです。プロモーションは山口大学国際総合科学部の皆さんです。「Benten Blue」とは、別府弁天池の湧き水の青さを表現した言葉で、ブランド力を強化するために考えてくれました。湧き水を使ったレモンスカッシュやコーヒーもあるんですよ。
「弁天名水コーヒー」とレモンスカッシュの写真

別府弁天池の湧き水を使った「弁天名水コーヒー」とレモンスカッシュ

「水ノ雫」の写真

別府弁天池の湧き水を使用した琥珀糖「水ノ雫」も大好評!

レモンスカッシュのレモンはこの近辺で採れたものを使い、砂糖で丁寧に煮ています。炭酸水も私たちスタッフが別府弁天池の湧き水を加工して作ってるんですよ。レモンの香りと、すっきりした飲み口が特徴で、これからの季節に特におすすめです。そのほか、別府弁天池の湧き水を使用した菓子「水ノ雫」もあります。ブルーやピンク色の琥珀糖で、外側はシャリシャリ、中はしっとりの食感と、程よい甘さがクセになりますよ。別府弁天池のお土産にぜひどうぞ。
レモンスカッシュ、とてもおいしいです! 甘く煮てあるレモンも残さずいただきました。皮も果肉もやわらかい! 水ノ雫は食感が楽しいですね。この3年間で数々の別府弁天池の名水グルメが誕生していますが、今後の目標はなんでしょう?
さらに新しいニジマスメニューを誕生させて、別府弁天池、湧き水、ニジマスの素晴らしさを引き続き発信していきたいです。そして、もっと多くの人に足を運んでもらい、別府弁天池や美祢市のファンになってもらいたいですね!
それは楽しみです! ぜひ頑張ってください! 本日はたくさんのお話をありがとうございました。

【取材を終えて…】

美祢市が誇る別府弁天池の神秘的な美しさ。その美しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと立ち上がった地域の方々の情熱に圧倒される取材となりました。手軽にニジマス料理を味わうなら「Benten Blue」、オーソドックスなニジマス料理を堪能するなら弁天会館と、別府弁天池の湧き水で養殖されるニジマスの楽しみ方の幅が広がったことで、これまで以上ににぎわいそうな予感がします。マスバーガーは3色全てを食べて、あなたのナンバーワンをぜひ決めてください!
さて、「Benten Blue」は、基本的に土日祝、5月の大型連休、夏休み期間のみの営業となります。また、寒い時期(12月〜2月末くらい)は開いておりませんのでご注意を。遠方から訪れる際は、事前の問い合わせがおすすめです。