柳井市|柳井縞機織り体験
皆さんは、「山口県」といえば、何を思い浮かべますか? 「フグ」、「秋吉台」、「錦帯橋」…。
それだけ?! いやいや、山口県には他にも知ってもらいたい魅力が、各地域にたくさんあります!
第17回は柳井市で柳井縞(やないじま)機織り体験と藍染め体験をしてきました!
やない西蔵
今回体験をする場所は、「やない西蔵(にしぐら)」です。やない西蔵は、大正時代末期に建築された木造平屋建・白壁土蔵造りの歴史ある建物。現在は複合型観光施設となっており、施設内では柳井縞機織り体験や金魚ちょうちん製作体験、藍染め体験が楽しめるほか、ギャラリーも併設されています。
柳井縞機織り体験スタート!
「柳井縞」は、柳井地区に古くから伝わる素朴な木綿織物として親しまれる伝統織物で、その起源は江戸時代にさかのぼります。しかし、大正時代には国の織物業が衰退したことで、以降は「幻の織物」とされていました。それでも、復活を願う地元の人の声もあり、現在は新生柳井縞として復活。ここ、やない西蔵を訪れれば誰でも機織り体験ができます。
機織り機が並びます
縦糸の色合いが素敵!
今回は、そんな歴史ある柳井縞のコースターを作ります!
まず初めに、縦糸を選びます。
施設内にある7台の機織り機には、それぞれ違う色の縦糸が仕掛けられており、この中から自分の好きな台を選ぶことができます。体験では、緯糸(よこいと)を入れて織る「織り」という工程のみを行いますが、実際の工程では、なんと「織り」までの準備に丸一日ほど要するそう! つまり、柳井縞のおいしいところだけを体験できるということなんです…!
緯糸は7種類から選べます
今回は赤い緯糸に決めました!
次に緯糸を選びます。同じ縦糸でも緯糸を何色にするかで、まったく印象の違ったものに。
「シャトル」と呼ばれる糸を巻き付けた専用道具を、7色から選びます。通常は既製品の糸を選びますが、金魚ちょうちんと同様の染料である「草木染」の糸を選べるときもあるそう! 貴重です!
今回は赤い緯糸にします。
踏み木と筬(おさ)
踏み木を踏むと縦糸に隙間が生まれます
緯糸を選んだら、機織り機の前に座って織り方を習います。
まず、シャトルを持っている手と同じ側の「踏み木」(足元のペダル)を力強く踏みます。
そうすることで縦糸が上下に開いて隙間ができるため、そこにシャトルを通します。このとき、緯糸が縦糸を強く引き過ぎると、ゆがんでしまうので注意です! そして、踏み木を踏み替えます。
トン、トンと筬を手前に引きます
次に、目の前にぶら下がっている「筬(おさ)」を手前にトン、トンと引きます。ここの力加減で、完成した柳井縞の手触りも大きく変わるそう。
私は、人の肩を軽くたたくくらいの力加減にしました。
あっという間に中間地点に
先生に仕上げてもらいます
これらの手順を、長さ10センチになるまで繰り返します。
シャトルを通して、足を踏み替えて、筬を引いて、またシャトルを通し…なんだか脳トレしているようでとても楽しいです。先生いわく、精神統一や無になりたいときにオススメとのこと。
コースターが完成!
たった15分ほどで、オリジナルのコースターが完成!
さまざまな木綿の糸が交差してできる優しい色合いと、素朴な木綿の手触りが最高です。赤い緯糸にしたことで、伝統織物でありながら、どこかモダンな色合いに落ち着いていてとても気に入りました。
さらに今回は藍染体験も!
やない西蔵では、藍染めと草木染の2種類の染色体験も楽しめます。(草木染は毎月第3金曜日のみ体験可能)
今回はハンカチの藍染め体験をしました。
模様付けは、自由な発想で行うことが大事! ということで、何も考えずに、ハンカチをねじったり好きなところを洗濯ばさみで挟んだり、輪ゴムを巻いてみたりしました。
どんな模様ができるのか?!
今日は染料の調子がいいそう!
すると、どこからか発酵したようなにおいが…。その正体は、藍染めの染色液でした。藍は古来より虫よけの作用がある、と言われるのも納得のにおい。大きな容器の中でふつふつと泡立って、藍色を作り出していました。
藍がよく入るように、ハンカチに水を染み込ませて、軽く絞ったら、その容器の中にゆっくりと沈めます。
染色作業は、先生が染まり具合を見ながら調整してくれます。
取り出すと、なんと緑?!
クリップで留めていたところだけ白くなっていました
ハンカチを引き揚げたら、水でしっかり洗い流します。
付けていた道具を外してハンカチを広げ、さらに水で洗い流していくと…
薄い緑のような色から、空気に触れてだんだんときれいな藍色に変化しました!
オリジナルの藍染が完成!
乾くと少し淡い色に
脱水し、乾燥させたら完成です! 藍染めの自然な色合いが美しいです。
丸い点は洗濯バサミ、白い線は輪ゴムでくくることでできる模様。さらにねじったことで、なんだか深海を連想させるような不思議な模様ができあがりました。
同じ手法で同じものを作ろうとしても、まったく同じ柄は現れないという唯一無二なところが染色の奥深さを感じさせますね。
草木染体験もできます!
売り物にはできない捨ててしまう花で染めることも
工程は材料によって変わるそう
毎月第3金曜日のみ行われる草木染体験では、季節によってさまざまな材料を使った染物を作ることができます。染色には花や草のほかにも、剪定(せんてい)して捨てられる木の枝や、小豆の煮汁、栗の渋皮の煮汁などの捨ててしまう液を使うので、環境に優しいです。いつもなら捨ててしまうものでも、この体験を通して別の使い道を探ってもっと大切にしていきたいと思いました!
地球環境を守り、素材を大切にしながらも、無駄なものを排出しない草木染めを体験してみてはいかがでしょうか。
においが強烈なことからクサギと呼ばれる植物の実
クサギで染めたもの
今回体験した場所はこちら!
体験料 | (柳井縞機織り体験)コースター 400円
※5人以上は要予約
(藍染め体験)ハンカチ 400円 |
住所 | 柳井市柳井3700-8 |
TEL | 0820-23-2490 |
営業時間 | 9時から17時まで
(柳井縞機織り体験と染色体験は13時から16時まで) |
定休日 | 火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 |
駐車場 | なし。近隣の観光客用駐車場を利用してください。詳しくは柳井市観光協会ホームページで確認してください。 |
アクセス | 柳井駅から徒歩で10分 山陽自動車道玖珂ICから車で20分 |
※新型コロナウイルス感染症対策のため、団体で来られる際は事前に電話で相談してください。