トップページ > 2023年3月24日 食レポ!! やまぐち
食レポ!! やまぐち

県内各市町編 やまぐるめぐり

山口県の各地域の新しい食、気になる食をレポート!! 第34回は県内各市町編です。
今回ご紹介するのは、山口県の各市町の特産品が手軽に味わえる商品シリーズ「やまぐるめぐり」です。現在、第3弾まで展開されているというこの「やまぐるめぐり」。どの特産品がどんな商品になっているのか、そして、どんな味をしているのか…と、気になることばかりです。それでは早速、開発を手がけた地域商社やまぐち株式会社の井上さんにお話を伺ってみましょう!
取材をするきらりんのイラスト
「やまぐるめぐり」は山口県の事業で開発されたと聞いています。
はい、2019年から開始した山口県の事業の一環として行った、県内19市町と連携した商品開発プロジェクトです。山口県は三方を海に開かれ、海の幸、山の幸、川の幸に恵まれています。山口県にはすてきな食材がたくさんあることを知ってもらいたい、おいしいものを通じて山口県をもっと身近に感じてほしい、そんな思いで取り組みました。
現在、第3弾まで展開されているそうですが、どんな商品があるのでしょう?
山口市の「あいおえびのおかず味噌」や平生町の「手摘みブルーベリーバター」、防府市の「鱧入りちくわと鱧のスモーク風」など、これまで34種類を発表しました。どれも山口県内19市町にゆかりのある素材や郷土料理等の伝統的なレシピを活用した商品で、そのままでも、アレンジしても楽しめる瓶詰めシリーズと、つまんでそのまま食べられるお手軽タイプのおつまみシリーズを展開しています。
やまぐるめぐり 瓶詰めシリーズの一部の写真

長門市の「長門ゆずきちグミ」や田布施町の「丁寧仕込みの金柑ジャム」など瓶詰めシリーズの一部

「おつまみシリーズ」の一部の写真

パウチタイプの「おつまみシリーズ」の一部。開封すればそのまま手軽につまめるのが魅力

なるほど、各市町自慢の「おいしい!」が味わえるわけですね。
「1市町につき1商品は必ず完成させる!」という目標は2020年に達成済みで、それ以降も商品数は増え続けています。なので、食材で選ぶだけではなく、「今日は○○市の味覚を堪能しよう!」といったように、市町で選ぶ楽しさもお届けできていると思います。
確かに! 全市町コンプリートを目指すのも面白そうです。贈り物にも良さそうですね。
比較的賞味期限が長い商品ばかりなので、遠方にお住まいの方にも安心して送っていただけます。「やまぐるめぐり」をきっかけに山口県を知ってもらったり、他県に住む山口県出身者の方々が手に取って、故郷を懐かしんでもらえたうれしいですね。
さて、全種類食べてみたいところですが、さすがにお腹いっぱいになりそうなので…、いくつか選んでもいいでしょうか?
もちろんです! 気になるものをぜひ食べてみてください。
 
「瀬戸内小えびと枝豆スナック」とパッケージの写真

宇部市の「瀬戸内小えびと枝豆スナック」(第2弾)

「瀬戸内小えびと枝豆スナック」の写真

小エビのサクサクとした食感と凝縮されたうま味がクセに

ありがとうございます!! それでは…、まずは宇部市の「瀬戸内小えびと枝豆スナック」をいただきます! おお、開封した時点でふんわりと香ばしい匂いが漂います。姿そのままの小エビがたくさん入っています!
瀬戸内海に面した温暖な気候の宇部市は、山と海の両方の幸に恵まれています。中でもアカエビを含む小エビ類の漁獲量は全国トップクラスで、アカエビのうま味成分が凝縮された干しエビは宇部市の名産品として知られています。そんな宇部市の干しエビの魅力をもっともっと発信するために、こちらの商品の開発に至りました。
 
では一口…。サクサクの食感と口いっぱいに広がる小エビの風味がたまりません。味付けもしっかりされていますね。
実は、このサクサク感を出すのが大変でした…。加工に工夫を重ね、ようやくたどり着いた食感です。甘辛く味付けた小エビとやさしい味わいの枝豆の相性はいかがですか?
すごくバランスが取れています。枝豆のカリカリとした食感もいいアクセントです。これはビールが飲みたくなりますね…。さて、次は長門市の「白オクラと長芋のねばねばスナック」をいただきます。白オクラは長門市の伝統野菜でしたよね?
 
その通り! 白オクラは約60年前に海外から持ち帰られたとされ、一般的なオクラに比べ約3倍の粘りがあります。その粘りがきちんと生きているので、ぜひ食べてみてください。
「白オクラと長芋のねばねばスナック」とパッケージの写真

長門市の「白オクラと長芋のねばねばスナック」(第2弾)

「白オクラと長芋のねばねばスナック」の写真

最初にサクサク感が、次にオクラ特有の粘りが追いかけてくる

 
本当だ! サクサクとした食感が次第にネバネバに変わっていきます! カツオの風味を感じさせる和風の味付けもいいですね。
こちらも白オクラと長芋をいかにサクサクに乾燥させるかが一番の課題でした。苦労のかいがあり、サクサクからだんだんと粘り気を帯びてくる変化がとても楽しい一品に仕上がっています。この商品に使われている白オクラは、1本1本丁寧に育てたものです。アクもスジも少なく、本来なら生でそのまま食べられるこの白オクラですが、新しい魅力が引き出せたかなと思っています。
これはとってもヘルシーですし、子どものおやつにも良さそうです。世代を問わず愛されるおいしさですね。三つ目は、山口県を代表する食材、フグをいただきます! 下関市の「おつまみ天然真ふぐ旨塩仕立て」…。ネーミングを聞いただけで日本酒に手が伸びそうです。
「フグの女王」とも言われる天然のマフグを使っていますので、味は間違いないはずです! 食べ応えもありますよ。
「おつまみ天然真ふぐ旨塩仕立て」とパッケージの写真

下関市の「おつまみ天然真ふぐ旨塩仕立て」(第3弾)

「おつまみ天然真ふぐ旨塩仕立て」の写真

冷風乾燥させた天然マフグは、ゴロッと大きくツヤもいい

ふっくらとした肉質、噛めば噛むほど出てくるうま味、程よい塩味…、おいしいです! 骨も全く気にならないですし、こちらの加工にも苦労されたのでは?
冷風乾燥でうま味を凝縮し焼き上げたのですが、おっしゃる通り、マフグ本来の風味やうま味を残すのが難しかったです。でも、味付けは塩のみなんですよ。それなのにこのおいしさですから、私たちもびっくりです。
味付けが塩のみ!? 旬のマフグのおいしさはトラフグを超えると言われるのが納得できる味わいです。これはお酒のおつまみにはもちろん、食事のおかずの一品としても喜ばれそう。一回で食べ切れるちょうどいいボリュームも嬉しいですね。
下関市は初代総理大臣・伊藤博文がフグ食を解禁したことで「ふぐの本場」として知られる地。フグ取扱量日本一のフグ専門市場もあります。こうして手軽に味わえる形でマフグのおいしさを発信することは、間違いなく下関市に興味を持ってもらうきっかけになると思っています。
高級なイメージがあるフグですが、「やまぐるめぐり」だととても身近に感じられますね。では最後は甘いもので締めさせていただきます。山口市の「徳佐りんごのサクサク焼きりんご風」をいただきます!
「徳佐りんごのサクサク焼きりんご風」とパッケージの写真

山口市の「徳佐りんごのサクサク焼きりんご風」(第2弾)

「徳佐りんごのサクサク焼きりんご風」の写真

リンゴの香りと甘味、さわやかな酸味とレーズンの相性が抜群

こちらは焼きりんごをイメージして仕上げています。レーズンとの相性もぴったりなので、ぜひ一緒にお口に運んでください。
ソフトな歯応えが心地いいです。皮も一緒に加工されていますが、全然気にならないくらいやわらかいです。リンゴの甘味と香り、ほどよい酸味が口に広がり、確かに焼きリンゴをイメージさせます。なるほど、レーズンの風味と食感がいいアクセントになっていますね! 紅茶にもワインにも合いそうな上品なおいしさです。
寒暖差が大きい山口市阿東地区で栽培される徳佐りんごは、糖度が高く酸味が少ないのが特徴です。そんな徳佐りんごのいいところをそのままお届けしたいと加工にも力を入れました。かといって甘すぎることはなく、やさしい味わいに仕上がっていると思います。
まさに「やさしい味わい」です。スイーツの材料にしたり、パンに合わせたりと、アレンジも研究したくなります。
ありがとうございます。「やまぐるめぐり」はどの商品も私たちが自信を持って世に出したものばかりです。そのおいしさとともに、山口県の食の魅力と、各自治体や生産者の皆さんの「地域資源を活用したい!」という思いが一人でも多くの人に伝わることを願っています。
山口県の魅力と皆さんの熱意をこの「やまぐるめぐり」が運んでいくのですね…。さて、この「やまぐるめぐり」、どちらで手に入るのでしょう?
オンラインショップ「jimotto(じもっと)」で購入いただけるほか、山口県内の一部店舗にて取り扱っています。オンラインショップでは「やまぐるめぐり」以外にも山口県の魅力的な商品をそろえていますので、ぜひ一度アクセスしてみてください。
早速チェックしてみます! 本日はありがとうございました。

【取材を終えて…】

各市町の生産者の皆さんの思いをカタチにしたこの「やまぐるめぐり」。どれもおいしく、食べやすく、気軽に楽しめるのが何よりの魅力だと感じました。今回は四つを試食しましたが、まだまだ気になる商品がたくさん! 次は白米に合いそうな周南市の「鹿野高原豚のゴロゴロそぼろ」かな…と、考えているだけでもすでに楽しい!!
さて、「やまぐるめぐり」を手掛ける地域商社やまぐち株式会社は、「生産者を支援すること」を第一に設立された会社なのだとか。今後も山口愛にあふれる商品が誕生することに期待し、その動向に注目していこうと思います。