トップページ > 2022年9月22日 食レポ!! やまぐち
食レポ!! やまぐち

美祢市美東町編 秋吉台ジオソフトクリーム

山口県の各地域の新しい食、気になる食をレポート!! 第28回は美祢市美東町編です。
今回ご紹介するのは、山口県を代表する観光スポットの一つ、日本最大級のカルスト台地「秋吉台」にちなんだスイーツ「秋吉台ジオソフトクリーム」です。一体どんなビジュアルでどんな味なのでしょう?
「秋吉台ジオソフトクリーム」の全貌を明らかにすべく、開発を手掛けた「大正洞 清風苑」の店主・松岡さんにお話を聞いてみました!
取材をするきらりんのイラスト
「秋吉台ジオソフトクリーム」は2021年4月に販売を開始されたと聞いています。どんなソフトクリームなのでしょう?
ズバリ、秋吉台をイメージしたソフトクリームです。というより、ソフトクリームで秋吉台の大自然を再現してみた、という方が正しいかもしれません。商品名の「ジオ」は、「ジオラマ」と「ジオパーク」が由来です。なかなかのインパクトがあるソフトクリームですよ!
ソフトクリームで秋吉台を再現!? 何となく想像できるような、できないような…。早く実物にお目にかかりたいところですが、まずは開発に至った理由を教えてください。
「大正洞 清風苑」は、400を超えるとされる秋吉台の鍾乳洞の一つ「大正洞」の駐車場そばにあります。以前は、大正洞や秋吉台まで自動車で来られる観光客がほとんどでしたが、近年は女性サイクリストを見かける機会が増えてきました。そんな女性サイクリストの皆さんからの「サイクリングの目的となるようなスイーツがほしい」、「走り終えたご褒美となるようなスイーツがあればいいのに」という声を受け、「何か特別なスイーツを作ろう!」と開発に挑戦することに決めました。
秋吉台の写真

特別天然記念物に指定されている日本最大級のカルスト台地「秋吉台」

大正洞の写真

秋吉台国定公園の東北端に位置する「大正洞」は、秋吉台にある鍾乳洞の一つ

そんな理由があったんですね! では、どんな思いを込めて開発されたのですか?
観光の目的が一つ、サイクリングのご褒美が一つ増えることで、一人でも多くの人に秋吉台に足を運んでもらいたいという思いです。また、地域の宝物である秋吉台をもっと多くの人に知ってもらいたい、秋吉台の旅の思い出作りのお手伝いが少しでもできたらうれしいという思いもありました。でも、何より一番は、秋吉台を訪れてくださった皆さんの笑顔を一回でも増やしたかったんです。
なるほど、秋吉台への愛が満載のスイーツなんですね。それで、思い切って秋吉台を再現したと…。
はい! 大胆にもソフトクリームを秋吉台そのものにしてみました。今から実際にお作りしますので、ぜひ見た目も味も楽しんでいってください。
ソフトクリームに粉末緑茶を茶こしで丁寧に振りかける様子の写真

粉末緑茶を茶こしで丁寧に振りかけて、秋吉台の緑の草原を再現

ソフトクリームにホワイトチョコラスクをトッピングする様子の写真

ゴツゴツとした石灰岩を再現するためにホワイトチョコラスクをトッピング

ほんとだ、これはまさに小さな秋吉台! 狙い通り、みんな笑顔になりそうです。写真を撮ってSNSに投稿したくなっちゃいます。眺めているだけで楽しい気分になりますね。
女性サイクリストの皆さんと何度も話し合い、試食を重ねてやっとたどり着いた自信作です。緑の草原や石灰岩はもちろん、秋吉台の神秘的なスポット「長者ヶ森(ちょうじゃがもり)」も再現しています。
「長者ヶ森」を発見! え!? もしやこれは…。
そう、ブロッコリーです! これには驚かれますが、すごく合うんですよ。
本当ですか…? では、いただいてみますね。
「秋吉台ジオソフトクリーム(レギュラー)」の写真

オールシーズン味わえるレギュラーの「秋吉台ジオソフトクリーム」

ブロッコリーで長者ヶ森が再現された「秋吉台ジオソフトクリーム」の写真

まさに秋吉台のジオラマ。ブロッコリーの長者ヶ森がかわいい!

お、おいしい…。想像をはるかに超えて、ブロッコリーとクリームとの相性がバッチリです。なぜこんなに合うんですか?
やや塩味を強くしてゆで上げることで、クリームとのバランスをとっているんです。甘さを引き立ててくれますし、野菜独特の食感も楽しいはず。次は石灰岩をどうぞ。
これは、ホワイトチョコラスクですね! カリカリの食感がいいアクセントになっています。石灰岩単体でも満足できそうなおいしさです。
開発の中で最も苦労したのがこのホワイトチョコラスクです。何を使って石灰岩を再現しようかと悩みに悩んで、結果的に山口市のパン店に協力してもらい、特注で作ってもらえることになりました。この石灰岩もまたクリームと相性がよく、食感の良さからも多くのお客さんからご好評をいただいています。
緑の草原を再現しているのはお茶ですよね? すごく香りが高くて、程よい渋みがあります。全体が引き締まり、色としてはもちろん、味としてもなくてはならない存在ですね。
実はすごくこだわっていて、萩市にある老舗茶屋から粉末緑茶をわざわざ取り寄せているんです。お茶の香りの良さまで気付いてもらえて、とってもうれしいです!
楽しくおいしくいただきました! ありがとうございます。ところで、秋限定バージョンと春限定バージョンもあるとお聞きしたのですが…。
よくご存じで! 今日は材料を用意していますので、お出しできますよ。ぜひ食べていってください。まずは秋限定バージョンをどうぞ。
夕日に染まる幻想的な秋の秋吉台の写真

夕日に染まる幻想的な秋の秋吉台。秋風に揺れるススキでより風流に

「秋吉台ジオソフトクリーム(秋限定バージョン)」の写真

ほうじ茶とパンプキンパウダーで黄金色の台地を再現した秋限定バージョン

おお! これが秋限定バージョンですね。黄金色に染まった秋吉台が再現されています。ふんわりと広がるこの香りはほうじ茶? でもほのかな甘みも感じます。この黄色の正体は何でしょう?
ほうじ茶とパンプキンパウダーです。ほのかな甘みはパンプキンです。やさしい味わいに仕上げているので、小さなお子さんからご年配の方まで楽しんでもらえるはず。秋の間はぜひこれも味わっていただきたいですね。次は山焼きをイメージした春限定バージョンです。
秋吉台の「山焼き」の様子の写真

全国的に有名な、秋吉台に春を呼ぶ早春の風物詩「山焼き」。毎年2月下旬に行われる

「秋吉台ジオソフトクリーム(春限定バージョン)」の写真

山焼き後の秋吉台をイメージした春限定バージョン。黒い焼け草はひじきで再現

えー!? ひじきがのっていますよ! これはびっくり。見た目のインパクト大ですね!
周防大島町名物の「ひじっ好」で焼け草を再現しました。ストロベリーソースは炎をイメージしました。味の想像がつかないでしょう?
全く想像できません…が、いただきます! あ、ひじきの食感とほんのちょっぴり漂う磯の風味がいい。それをストロベリーソースの酸味がさっぱりさせています。クリームで全体がまろやかになって…、おいしい!
「秋吉台ジオソフトクリーム」を見て驚かれる皆さんの顔、「意外においしいね!」と笑い合う楽しそうな様子にいつも元気をもらっています。今後も秋吉台にもっと人が呼べるよう、話題性のあるメニューを提供していきたいですね。
本日は「秋吉台ジオソフトクリーム」について教えていただき、本当にありがとうございました! 発想の豊かさに驚かされてばかりのひと時でした。次はどんなメニューが登場するのか楽しみに待っています。

【取材を終えて…】

「びっくり! 楽しい! おいしい!」が一度に味わえた「秋吉台ジオソフトクリーム」。意外な素材の組み合わせにもかかわらず、たまらないおいしさなのでぜひ一度食べてもらいたいものです。周防大島町のひじきなど、山口県の名産を取り入れているところもさすが! 秋吉台だけでなく、山口県の名物スイーツになる日も近いのではないでしょうか?
さて、ブロッコリーで再現された「長者ヶ森」は、広い草原に突如として出現するひときわ目立つ森のこと。秋吉台の中で、唯一の原生林です。壇ノ浦の合戦に敗れた平家の武将が移り住み、その子孫が屋敷跡に植樹して森になったと伝えられ、パワースポットとしても人気が高いそうです。興味がある方はぜひ足を運んで、神秘的な雰囲気を堪能してください!