トップページ > 2022年9月22日 やまぐち住んで民?
やまぐち住んで民?

移住経験者に聞きました

移住された方に、移住のきっかけや、やまぐち暮らしの良さを語っていただくコーナーです。
今回は、周防大島町に移住(Iターン)された、民宿 石鍋亭 宮地直人(みやじ なおと)さん・佳世(かよ)さんご夫妻に、移住先の魅力などについて伺いました。

―移住者同士のつながりが強いのも、周防大島町の魅力だと思います―
周防大島町|宮地直人さん・佳世さんご夫妻 後編

石鍋の写真

「石鍋亭」について教えてください

直人さん)「石鍋亭」という名前は、実は会社に勤めていた頃からの自宅の屋号なんです。当時、キャンプ仲間で集まって料理をしたり、自分が釣った魚を料理して会社の同僚や友人に振る舞ったりを自宅でしていました。

佳世さん)一緒に、石鍋で炊いたご飯も出していたんです。そこから、夫は「石鍋さん」、家は「石鍋亭」と呼ばれるようになりました。この民宿でも、地元産のお米を石鍋で炊いて提供しています。今までの「お店ごっこ」が本当になっちゃった、という感じなんです。

直人さん)石鍋亭では、1日1組限定でお客さんに泊まっていただいています。石鍋ご飯はもちろん、周防大島町で捕れた魚や無農薬の野菜を使ったヘルシーな料理が自慢です。コロナ前は全国からお客さんがお見えになっていましたが、最近は、山口県東部やすぐ隣の広島県などの近くから、家族で来られるお客さんが多いですね。「明日の朝は、ここから出勤します」という方もいらっしゃいますよ。

佳世さん)開業した当初は、息子2人の大学費用を稼ぎながらの生活だったので大変でしたが、今は常連のお客さんも付いてくださり、おかげさまで予約もたくさんいただいています。
インタビューを受ける宮地佳世さんの写真

周防大島町に住んでみて、どんなところに魅力を感じますか?

直人さん)ゆるゆるとした暮らしのテンポ感でしょうか。会社勤めをしていた頃よりも人間らしく、自由な生活ができているなと感じています。島の風土がそうさせるのかな。初夏の時期には島中のミカンの花が一斉に咲きます。どこもかしこも花の香りがして、それがまた幸せな気持ちになるんですよ。
それと、移住者同士のつながりが強いのも、周防大島町の魅力だと思います。多業種の方とお互いに尊敬し協力し合いながら頑張っています。
佳世さん)私は、島のお年寄りがすごく元気だなといつも思うんです。年を取っても畑仕事をしたり、日々のお買い物に出掛けたりと、やることがたくさんあるのが、田舎暮らしの良いところですよね。「私もこんなおばあちゃんになるのかなあ」と、自分の未来を思い浮かべています。

直人さん)若い移住者の方が集落に入ってくることで、お年寄りにも良い刺激になっている気がしますね。「私たちも頑張ろう」という気持ちになっているんじゃないですかね。
インタビューを受ける宮地直人さん・佳世さんご夫妻の写真

移住を考えている方へ、メッセージをお願いします

直人さん)最初から完全な計画を立てず、とりあえず住んでみるところから始めると良いと思います。移住ツアーや、プチ移住体験イベントなどに参加してみたりするのもお勧めです。あまり大きなビジョンを持つと、何か一つのことが予定通りに行かなかった時、行き詰まってしまう。まずは考え過ぎず、住んでみて、良いところや、やりたいことを具体化していくと良いんじゃないかなと思います。

佳世さん)以前は都会が良いなと思うこともありましたが、今は田舎暮らしも良いなあと実感しています。庭の草抜きは大変だし、便利なものは何もないけれど、それはそれで楽しいですよ。

直人さん)年齢が上がってきて体力も落ちてくると、「働こう」という意思から「働かされている」という感覚になってきて、会社勤めがすごく辛くなってくると思うんです。今は定年が65歳になり、退職してから何かしようと思うと、もう力が残っていないんですね。だから、早めに退職してやりたいことを始めるのも、良い選択肢なのかなと思っています。

宮地直人さん・宮地佳世さんのプロフィール写真

宮地直人さん・宮地佳世さん

みやじ・なおと/みやじ・かよ/周防大島町在住 民宿 石鍋亭
夫の直人さんは愛媛県、妻の佳世さんは大阪府出身。直人さんが大阪の製薬会社に勤めていた50歳の時、会社で開催された「セカンドライフを考えるセミナー」をきっかけに移住を考え始める。
2015年に周防大島町に移住。民宿「石鍋亭」を開業し、1日1組限定のお客さまを夫婦2人でもてなしている。