トップページ > 2021年7月21日 やまぐち住んで民?
やまぐち住んで民?

移住経験者に聞きました

移住された方に、移住のきっかけや、やまぐち暮らしの良さを語っていただくコーナーです。
今回は、萩市に移住された、ウニ漁師 中村陽介(なかむら ようすけ)さんに、移住後の暮らしぶりなどについて伺いました。

―海もあれば山もある、豊かな自然が魅力です!―
萩市|中村陽介さん 後編

漁師のお仕事はいかがですか?

いざ漁師になるぞ、といってもウニ漁の知識も技術もありません。そこで、先輩の漁師さんについて行き、見よう見まねで習得しました。海に潜ってウニを探し、海面に浮上して息を吸ってまた潜る。これをひたすら繰り返すんです。天候の影響を受けやすいウニ漁は体力が勝負。初めてデビューした日は、波に酔って思うように動けなくて…やっとの思いで捕ったのはたったの5個。わずか1時間で音を上げてしまいました。ウニは、殻を割ってみるまで、身の入り具合や色はわからないので、毎回、宝箱を開けるような感じでワクワクします。色のきれいな身がたくさん入っていたらものすごく嬉しいですね。それから、一緒になって支えてくれる妻の存在も大きいです。二人で「伸び代しかないね!」と励まし合いながら頑張っています(笑)。頑張れば頑張るほど結果がついてくるので、今まで経験したどの仕事よりも、自分の手で稼いでいる実感が大きいですね。
ウニの写真

移住先での暮らしはいかがですか?

子育てをするには最適な環境だと思います。地域の子どもたちもとても純朴で、こんな風に育ってほしいなという良いお手本がたくさんありますね。また、都会に比べて子どもの数が少ないので、小学校の先生も一人ひとりをしっかりと見てくださるように感じます。なんでもっと早く移住しなかったんだろうと妻とよく話しています。また、萩市が主催した移住者交流会で知り合ったむつみ地域の先輩移住者から、さまざまな体験談やアドバイスを聞けたことは、とても心強かったですね。その方とは今でも、ウニと野菜を交換したり、食事をしたりと交流が続いています。

山口県の魅力はどんなところだと思われますか?

海もあれば山もある、豊かな自然が魅力です! 春や秋は観光名所を巡ったり、夏は海水浴を満喫したりと、家族で出かけられるスポットが多いので楽しみが尽きません。近くに温泉もたくさんあります。つい最近も、長門市の湯免温泉に家族で行ってきました。お祭りやイベントも多く、毎週のように行われます。そして、必ずといっていいほど餅まきが行われますよね。愛知県にはない風習なので驚きました。
家族で食事をしている様子の写真

移住を考えている方へ、アドバイスをお願いします。

とにかく地域になじむのが一番! 地域のしきたりや付き合いに戸惑うこともあるかもしれませんが、自分から輪の中に入っていくことをお薦めします。思い切って懐に入ってしまえば、周りの方はとてもよくしてくださいます。仲良くなる秘訣は、何か頼み事をされたときにNOと言わないこと。例えば、私の場合だと、一人で漁に出て沖で船が故障したら、誰かに船を引っ張ってもらわなければいけません。何かあったときに周りに助けてもらうことが多いので、田舎では助け合いの精神が大事だと思います。

最後に、これからの目標をお聞かせください。

萩市大井浦地区に移住を希望される方のサポートができればと思っています。私たちが住むこの地域も、全国各地と同様、高齢化により漁業が衰退してきています。今後は若手のウニ漁師を増やして、地域をもっと盛り上げていきたいですね。そのためにも、ぜひ多くの方にこの地域の良さを知ってもらいたいです!

中村陽介さんのプロフィール写真

中村陽介さん

なかむら・ようすけ/萩市在住 ウニ漁師

埼玉県出身。18歳まで埼玉で過ごし、名古屋市にある引っ越し業者に就職。35歳で退職。福岡で2年間修行した後、愛知県武豊町にうどん店をオープン。2018年に萩市に移住。ウニ漁師に転身。山口県漁業協同組合大井浦支店組合員