トップページ > 2021年5月28日 食レポ!! やまぐち
食レポ!! やまぐち

下関市編 下関三海(みつみ)の極味(きわみ)

山口県の各地域の新しい食、気になる食をレポート!! 第12回は下関市編です。今回紹介するのは、下関市地域資源活用促進プロモーション「下関三海の極味」。昨年1月、下関三海の極味を味わえる2種類のお弁当が開発され、さらに今春には「下関三海の極味 最高の晩餐(ばんさん)シリーズ」として五つの新商品が開発されたばかり!! 気になる下関三海の極味について知りたくて、下関市産業振興課の方に話を伺います!!
取材をするきらりんのイラスト
関門海峡の写真

関門海峡をはじめとする三つの海に囲まれた下関

下関三海の極味の2種類のお弁当の写真

下関三海の極味。2種類のお弁当があります!!

下関三海の極味って、どういう事業なんですか?
下関市は日本海・瀬戸内海、その両方の海をつなぐ関門海峡という三つの海に囲まれ、豊富な魚介類や海産物に恵まれています。その魅力を全国の皆さんに知ってもらうため、下関市では平成30(2018)年度からこの事業を始めました。初年度は首都圏への情報発信として、東京の高級レストランで下関産のクエのしゃぶしゃぶなど7品目を提供。次年度からはもっと多くの皆さんに手軽に食べていただけるものをと考え、「下関三海の極味 三昧」弁当と「下関三海の極味 ふく・うにづくし」弁当を開発。昨年1月から販売を始めました。
お弁当を監修した方や、お弁当を作っているお店について教えてください。
「三昧」(左)と「ふく・うにづくし」弁当(右)の写真

左側が「三昧」。右側が「ふく・うにづくし」弁当

料亭のご主人と監修者さんが掲載されたポスターの写真

ポスターには料亭のご主人と監修者さんの写真

お弁当の監修者は、全国の駅弁を400種類食べ歩いてきたというタベアルキストのマッキー牧元(まきもと)さんです。お弁当を作っているのは、下関市長府に江戸時代からある、幕末の志士・高杉晋作(たかすぎ しんさく)も通った老舗の料亭です。その料亭は山陰線観光列車「○○のはなし」のお弁当も作っていて、とても人気があるんですよ。
長府藩の城下町・長府にある老舗料亭の写真

長府藩の城下町・長府にある老舗料亭

壇具川の写真

料亭のそばには、自然豊かな壇具(だんぐ)川や侍屋敷長屋

「○○のはなし」のお弁当も、すごく気になります(笑)。でも、きょうは下関三海の極味の“はなし”ということで、「三昧」と「ふく・うにづくし」のお弁当の内容を教えてください。
“三昧”のお品書きの写真

“三昧”のお品書き。なんと12品!!

下関三海の極味三昧の写真

唐戸市場のデッキでお弁当をパチリ!!

まず「下関三海の極味 三昧」は下関の魚をふんだんに味わっていただこうと、フグ(ふく)・ウニ・ハモ・サワラ・タコ・アジをはじめとする下関の代表的な海の幸など12品を、9マスのお弁当の中に詰め込んだお弁当です。もう一つの「下関三海の極味 ふく・うにづくし」弁当は、下関の特徴的な海の幸であるフグとウニに特化したお弁当です。下関はアルコール漬けのウニである「粒うに」発祥の地。その粒うにのおいしさを存分に楽しんでいただけます。
“ふく・うにづくし”の写真

関門海峡をバックに“ふく・うにづくし”

包装を取った“ふく・うにづくし”の写真

ウニが「映え」ます!!

そのお弁当は、どこで購入できますか?
JR下関駅の改札から階段を下りて、すぐ目の前にあるスーパーで購入できます。老舗料亭が下関自慢の海の幸を使って作るお弁当としては手頃なお値段で、その点も魅力的だと思います。
下関駅の改札前のスーパーで販売されている「下関三海の極味」の写真

下関駅の改札すぐ前のスーパーで販売中

三昧を持ったスーパーの店員の写真

こちらが“三昧”です!!

新たな取り組み「最高の晩餐シリーズ」も始まったそうですね?
はい! さらにもっと多くの皆さんに下関の魚介類や海産物の魅力を知ってもらおうと、市内の事業者にご協力いただき、五つの新商品を開発しました。
「トラフグのサフランリゾット」のイラスト画像

「トラフグのサフランリゾット」

「ふぐのスモークマリネ」のイラスト画像

「ふぐのスモークマリネ」

「究極のノドグロバーグ」のイラスト画像

「究極のノドグロバーグ」

「熟成関門たこ エスカルゴ風」のイラスト画像

「熟成関門たこ エスカルゴ風」

どんな新商品なんですか?
魚というと一般的には和食のイメージ。でも、最高の晩餐シリーズでは、自宅で洋食のアレンジ可能な新商品を開発しました。
どんな味なのか、とても気になります。試食された商品はありますか?
「トラフグスープ極(きわみ)」を試食しました。開発した事業者からは、アレンジを念頭に置き、創造力をかき立てるよう、味の仕上げをあえて8割で抑えたと聞き、それが印象に残っていたので、雑炊に使って食べてみました。そういえばフグのフルコースの場合にしても、フグのうまみが溶け込んだ最後の雑炊が一番おいしいって言われますよね。フグの中でも最高級のトラフグ!! その純粋なうまみがぎゅっと凝縮されたスープで、それを使って作った雑炊は本当においしかったです!!
「トラフグスープ極」のイラスト画像

「トラフグスープ極」

最高の晩餐シリーズの写真

最高の晩餐シリーズ。近日中に発売予定です!!

なるほど!! それはおいしそう!! ますます気になります。どこで購入できるのですか?
近日中に発売予定ですが、JR下関駅のすぐそばにあるデパートの6階、関門地域の特産品などを販売しているセレクトショップで販売予定です。ネット販売も検討中です。三方を海に恵まれた下関は、フグをはじめ、魚介類や海産物のおいしいところ。本場のおいしさをぜひお楽しみください!!

【取材を終えて…】

下関三海の極味の二つのお弁当を購入し、ベンチがある海峡沿いへ。購入前に、お弁当を作っている料亭からも話を伺っていたので、まず、かつお節の一番だしを使って作っているという、お店自慢の「出汁(だし)巻玉子」からいただきました。味の奥深さに感動。「海老(えび)の雲丹(うに)バター焼」も、濃厚なおいしさで思わずニッコリ。実はこれ、その料亭がウニのフルコースで本来はクルマエビを使って作っている大人気の一品だそうです。このお手頃価格のお弁当では、さすがにクルマエビは使えないとあって、本来のおいしさをたっぷり味わってみたくなりました。「はもの梅しそ木屋町(きやまち)揚げ」も美味(びみ)!! これはハモの皮を外側にして二つの身と身をくっつけ、その間に梅・青じその葉を挟んで揚げたもの。木屋町(きやまち)揚げとは、皮(川)と皮(川)の間、つまり京都の鴨川と高瀬川に挟まれた木屋町をイメージしたことから付いた料理用語だとか。日本料理って粋な世界ですね。どちらのお弁当にもフグの皮を炊き込んだ「ふくめし」や、粒うにを炊き込んだ「雲丹めし」が入っていて、「三昧」には山口県の郷土料理「いとこ煮」も。いとこ煮は小豆を用いた料理で、汁気のあるもの・汁気がなくなるまで煮詰めたもの、塩味が勝るもの・甘いものなど、県内各地で異なる、かつては冠婚葬祭に欠かせなかった郷土料理。このお弁当では、汁気のない、甘いいとこ煮でした。どちらのお弁当もお手頃価格を前提に開発されたものなので、それぞれの品がちょっとずつですが、下関はいろんな自慢の素材があるんだなあと知ったお弁当でした。次はそれぞれのフルコースなどでたっぷり食べたい!!なんて思わせるところが、うまいっ(笑)。最高の晩餐シリーズは発売前だったので食レポできないのが残念ですが、皆さん、最高の味をぜひどうぞ!!