トップページ > 2021年5月28日 やまぐち住んで民?
やまぐち住んで民?

移住経験者に聞きました

移住された方に、移住のきっかけや、やまぐち暮らしの良さを語っていただくコーナーです。
今回は、下関市に移住された、木工と陶芸作品を展示・販売する「木と土calm」店主坂本祐樹(さかもと ゆうき)さん・木本紗綾香(きもと さやか)さんご夫妻に、移住後の暮らしぶりなどについて伺いました。

―田舎暮らしを満喫しています―
下関市|坂本祐樹さん・木本紗綾香さんご夫妻 後編

お店をオープンされて半年が過ぎましたがいかがですか?

祐樹さん) お店をオープンしたことで、少しずつですが新しいお客さんが増えてきました。コロナの影響で、展示会やイベントへの出展が減っているので、オープンしたタイミングが本当によかったなと思います。もし、ここがなければ作品を売る場所がなかったかも。そう考えるとゾッとしますね。
紗綾香さん) お店の宣伝といえば、百貨店などの展示会でDM(ダイレクトメッセージ)を配ったくらいで、ひっそりとオープンしたのですが、遠方からもお客さんがいらっしゃるのがいつも不思議で...。お越しくださった方全員に、お店を知った経緯についてお聞きしています。
お店に陳列する作品の写真

移住先での暮らしぶりを教えてください。

祐樹さん) 目の前に広がるのどかな田園風景に毎日癒やされています。草刈りや畑仕事、家の改修など、仕事以外の作業が増えて、以前に比べてじっとしている時間は少なくなりました(笑)。近くの豊田湖でワカサギ釣りを楽しんだり、池でメダカを飼ったりと、新たな趣味もできました。やりたいことがどんどん増えている感じです。引っ越してまだ日が浅いので、これから徐々に地域の方々と交流をもつ機会を増やしていきたいと思っています。
紗綾香さん) とても居心地がいいですね! 田舎暮らしを満喫しています。春は八重桜の花やタラの芽、ヨモギを天ぷらにして味わえるし、ワラビもたくさん採れます。寒くなるまでは、庭で毎日バーベキューを楽しんでいました。病院やスーパー、ホームセンター、道の駅も近いので、生活に不自由することもありません。強いて困ったことを挙げるなら、想像していたよりも寒かったことでしょうか。特に今年は、寒波の影響で異例の寒さでした。マイナス5℃になった日は、作業場から家の中に作品を避難させておいたのですが、すべて凍ってしまいダメになってしまいました。
取材を受ける坂本祐樹さん・木本紗綾香さんご夫妻の写真

移住を考えている方へ、アドバイスをお願いします。

祐樹さん) 古民家は格安で手に入ると思われるかもしれませんが、住めるように改修するためにかなりお金が必要なこともあるので、購入前に必ず専門家に相談されることをお薦めします。
紗綾香さん) 移住先の自治体に補助金が整備されているかどうかなど、移住者に有益な情報についてもしっかりと調べておいた方がいいと思います。着工した後では申請できないものもあるので、条件面はきちんと確認しておくことをお薦めします。

最後に、これからの目標をお聞かせください。

祐樹さん) コロナ禍でイベントへの出展が厳しい状況なので、SNSなどを通じてお店の宣伝に力を入れていこうと考えています。現在、インターネットでも作品を購入していただけるようにホームページのリニューアルをしています。
紗綾香さん) 今、使っているのは電気窯なのですが、ゆくゆくは薪窯(まきがま)を作ってみたいですね。そして、夫の作品制作で余った木材を燃やして灰をとり、そこから釉薬(ゆうやく)を作って...。将来的には、この土地に合った新たな作品づくりにチャレンジしてみたいですね。

坂本祐樹さん・木本紗綾香さんのプロフィール写真

坂本祐樹さん・木本紗綾香さん

さかもと・ゆうき/下関市在住 木工・家具作家

きもと・さやか/下関市在住 陶芸作家

夫の祐樹さんは下関市出身。福岡工業専門学校を卒業後、長野県上松技術専門校にて木工の基礎を学ぶ。福岡県糸島市の「工房はーべすと」にて修行。2012年より独立し、「工房calm」を拠点に活動を開始。オーダーメイドの家具や店舗の什器、オリジナルブランドの雑貨の制作・販売を手掛ける。
妻の紗綾香さんは島根県松江市出身。京都府にある陶芸の専門学校に通い、窯元に就職。その後、松江市に戻り、2011年に陶芸家として独立。展示会で祐樹さんと出会い、2020年に結婚。 2人で下関市豊田町に移住し、木工と陶芸作品を展示・販売する「木と土calm」をオープン。