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やまぐち体験部

山口市|老舗和菓子屋さんで外郎手作り体験

皆さんは、「山口県」といえば、何を思い浮かべますか? 「フグ」、「秋吉台」、「錦帯橋」…。
それだけ?! いやいや、山口県には他にも知ってもらいたい魅力が、各地域にたくさんあります!
そんな地元民がおススメしたい山口県の魅力を「体験」を通じてお届け♪
第5回は山口市で外郎(ういろう)手作り体験をしてきました!

本多屋懐古庵本店売店外観の写真

本多屋懐古庵本店売店外観

今回の体験場所は、JR山口駅のほぼ正面にある「本多屋懐古庵(ほんだやかいこあん)本店」。大正6(1917)年の創業以来100年以上、山口外郎を作り続けている老舗「蕨菓匠(わらびかしょう) 本多屋」の直売店です。外郎と呼ばれるお菓子は全国各地にありますが、有名な名古屋のものをはじめ、うるち米からできる米粉を使うのが主流なのに対して、山口の外郎はワラビ粉を使うのが特徴です。プルプルとした弾力があり、表面はツヤツヤ、食感はモチモチとしていて、舌触りの独特な滑らかさは、地元では「おっとり」と表現されています。

外郎作り体験!

和風のイートインスペースに並べられた外郎作りの道具や材料の写真

和風のイートインスペースに外郎作りの道具や材料が並べられています

対面する体験者と講師の職人さんの写真

職人さんとご対面

型箱に名前を書く様子の写真

型箱に名前を書きます

作業は、店内のおしゃれな和風のイートインスペースで行います。窓が大きくとられて明るい場所です。立派なテーブルに道具や材料が用意されます。講師は職人さん。自ら一緒に作りながら指導してくださいます。外郎の型になる紙の箱に名前を書き、手を消毒したら外郎作りのスタート!
みつを溶いた水とあん玉が入ったカップの写真

みつを溶いた水とあん玉が入ったカップ

泡立て器でカップの中のあん玉を溶く様子の写真

泡立て器で溶いていきます

あんの溶け具合を確認する様子の写真

ちゃんと溶けたかな?

粉の入った皿にあんを溶いた水を注ぐ様子の写真

粉と混ぜていきます

あんを溶いた水と粉を混ぜる様子の写真

2回に分けて混ぜます

生地を茶こしがセットされたカップに移す様子の写真

粒も残さず…

なんだか黒いものがカップの中で水に浸っています。黒い卵? いえ、これは玉になったあん。水にはみつが入っています。泡立て器であん玉を崩しながら水に溶いていきます。
ちゃんと溶けたら、これを小麦粉とワラビ粉を混ぜたものが入ったお皿に、まずは半分ぐらい流し込んで混ぜます。練りすぎてもダメ、練り足りないのもダメ。頃合いはもちろん講師の方に教えていただけるので安心です。粉っぽさがなくなったら、残り半分を流し込んで混ぜます。これが、生地になるわけですね!
次は、空になった先ほどのカップに茶こしをセットして、混ぜた生地を戻します。スプーンでかき取るようにして、アズキの粒も、残さずぜーんぶ入れましょう。
茶こしで裏ごしする様子の写真

茶こしでしっかり裏ごし

型箱に生地を注ぐ様子の写真

型箱に注ぎます

茶こしの網を使って裏ごしします。これをしっかりやっておくことが、口当たりの滑らかさにつながります。
次は、型の箱に流し込みます。この中で、また混ぜる作業があるのですが、この混ぜ具合も食感に影響するとのこと。
アズキ、クリをトッピングする様子の写真

アズキ、クリの豪華二大トッピング

外郎の入った蒸籠を蒸し器にかけ、ふたをする様子の写真

蒸し器にかけます

これで終わりかな? と思ったら、おわんが二つ出てきました。トッピング用のアズキとクリです。両方入っているのは店舗で売られておらず、この外郎作り体験ならではなのだそうです。なんてゴージャス! ついつい欲張ってたくさん入れたくなりますが、食感に影響するとのことで、適量で我慢…!
トッピングを終えたところで、講師の方が蒸籠(せいろ)を持ってこられました。いよいよ蒸しの工程です!
といっても、後は講師の方におまかせで、一時間ほど待ちになります。ここまでで15分ぐらいだったでしょうか? とても簡単で気軽にできましたが、きちんとプロの目と手で下ごしらえされているからこそ。蒸し器など、工場のものとは大きさなどかなり違うそうですが、店舗内でもおいしく作れるよう調整されています。出来上がりが楽しみです!
講師の方の説明を受ける様子の写真

職人さんとの交流も体験の楽しさの一つ

蒸しの待ち時間は、本来はいったん外に出かけたりできる自由時間ですが、今回は取材なので、まだまだ講師の方にお話を伺うことにしました。外郎の歴史、本多屋のこだわりの部分など。また、製法のことについては化学的な説明もしていただきました。講師の方は、老舗の職人さんらしくビシッとされていますが、とても気さくな方で、楽しくお話ができました。
蒸籠の上の蒸しあがった外郎の写真

蒸しあがり!

網の上に逆さに置かれた外郎の写真

逆さにして常温で冷却

さて、蒸しあがりです! 見るからに表面がツヤツヤで、プルプル感が想像できます。ここから冷却したら完成です。余分な水分を落とすため、箱を逆さにして網の上に置かれます。冷蔵庫などで急激に冷やすと固くなるので、常温で冷まします。
包装された外郎を受け取る様子の写真

体験終了! 持って帰りま……………………せん!

包装していただいてお持ち帰りです。ありがとうございました!
と、体験はここまでなのですが…。

せっかくなので出来たての「生外郎」をいただきます!

先ほど体験場所として使ったイートインスペースで食べることもできるとのこと。ロケーションは抜群、ここでいただくことにします! 外郎は通常、日持ちさせるため、真空パックされた後にもう一度加熱されますが、懐古庵は直営店。工場直送、蒸したままの生(なま)外郎が食べられます。ましてや、今回はさっき自分で作ったのですから出来たても出来たてです。早く食べたくもなりますよね!
外郎に「黒文字」で切れ目を入れる様子の写真

「黒文字」で切れ目を入れてみます。このモッチリ感!

型の紙箱は独自に作られた耐水、耐熱のものだそうですが、開いてそのままお皿になります。よく考えられてる!
さっそく外郎を切って、その弾力を確かめたい! ちなみに、和菓子を食べる時に使う大きなようじは「黒文字(くろもじ)」と呼ばれるそうです。その名の通りクロモジという植物から出来たようじで、香りも良く、洗って使える優れもの。何より、和菓子を食べる雰囲気を増してくれますね。
外郎の断面の写真

断面に見えるクリがきれいです!

外郎を食べる体験者の写真

いただきまーす!

いただきまーす! ん~~~! モチモチした食感がたまりません! ゴロゴロと入ったアズキとクリが良いアクセント! (トッピングを欲張らなくて良かった…笑) 入れていただいた濃いめのお茶が、程よい甘さを引き立たせます。この場所ならではのおいしさ、皆さんもぜひ体験してみてください。

本多屋懐古庵本店のご紹介

本多屋懐古庵本店内観の写真

本多屋懐古庵本店内観

生わらびの写真

生わらび(懐古庵限定)

桜餅の写真

桜餅

本多屋の外郎は、“枯淡(こたん)(※1)の味”にこだわり、ワラビ粉の持つ舌触りと高雅(こうが)(※2)な風味が特徴です。また、外郎だけでなく、まんじゅうや三笠(どら焼き)、鹿(か)の子、カステラなど、いろんな和菓子を作っています。
本多屋懐古庵本店の出入口の写真

のれんにはワラビをかたどった紋が

洋風のイートインスペースの写真

洋風のイートインスペース

体験で使ったスペースの他にも、洋風のイートインスペースもあり、優雅にくつろぎながら和菓子を楽しむことができます。
  1. あっさりしている中に深いおもむきがあること。本多屋では、味や食感について目指すところを「しつこくなく、後口が良い」「おいしいと感じた瞬間、消えてなくなる」として、この表現を使っている 本文※1へ戻る
  2. 気高く優雅なこと 本文※2へ戻る

今回体験した場所はこちら!

本多屋懐古庵本店の地図
本多屋懐古庵本店(蕨菓匠本多屋)
 
実施期間1月9日から6月30日まで、9月1日から11月30日まで(日曜日、水曜日、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始を除く)
体験料1人 700円(税込)[最小催行人数 3人]
体験時間15分から30分(蒸し時間などで受け取りまで約1時間かかります)
住所山口市駅通り1-4-5
TEL083-925-1600
営業時間9時から18時まで
定休日毎週水曜日
駐車場8台(無料)
アクセスJR山口駅から徒歩3分

※体験希望日の一週間前までに予約してください

※新型コロナウイルス感染症対策のため、一回の体験人数を制限しています。団体で来られる際は、予約の際に電話で相談してください。